











吉田二郎の登攀記。
あとがきに「書物のなかに生まれ」とあるのは、実家が古書店を商っていたからだろう。「かねてからこんな形状の書物をつくってみたい」と書かれている通り、多くの“山の本”が持つ魅力を随所に感じられる。小ぶりな判型の函入り本。雪山を思わせる色合いの布張りの装幀。表紙をめくれば見返しや遊び紙までこだわり抜いている。
惜しまれるのは、登攀(ルートのいくつか)に嫌疑がかかり山岳界から姿を消したこと。吉田二郎名義の著書は本作を含め2点のみ。
|著者|吉田二郎
|発行|二玄社
|出版年|1959年
|サイズ|約160×134mm
|状態|函にシミ、スレ、ヨゴレが散見します。本体は函ほどのダメージはなく、経年相応の劣化が見られます。