夜はひんやりとしていた。星たちが赤い。わたしは西瓜工場の横をずっと歩いて行った。その工場で、西瓜から砂糖を採る。西瓜から汁を取り、それを混じりもののない砂糖になるまで煮つめる、それから、その砂糖をわたしたちのもの、つまり、わたしたちの生活のかたちに変えるのだ。(『算数』から)
原題『IN WATERMELON SUGER』の通り、西瓜糖でできた世界を舞台にした幻想小説。人口はおよそ375人。
|著者|リチャード・ブローティガン(著)藤本和子(訳)
|発行| 河出書房新社
|出版年|1979年初版
|サイズ|191mm×130mm
|状態|全体に細かなシミ、ヨゴレ、キズなど、経年相応の劣化があります。ビニールカバーに小さな破れがあります。大きなダメージはありません。