







ちくま文庫の横山泰三の装画も良いが、石川淳によるサインペンで書きつけたような極めてシンプルな函入り本も清々しい。読むと「いやーすごいや。これは大変だ」と思う。読者としては日々が困窮・混迷するほど楽しく読んでしまうが、駆け抜けた三千代さんにはあっぱれ。
敗戦の衝撃に茫然自失する戦後世界をランニング・シャツにパンツ一枚で走りぬけた男―坂口安吾。彼は一時期“戦後”の象徴だった。「堕落論」「安吾巷談」などで戦後文壇をはなやかにいろどり、やがてアドルム中毒のすえ狂気に追いこまれていく…。孤独の人安吾を捨身で支え、看護し、さまざまの事件の後始末に奔走した妻の座から、愛と悲しみをもって描き切った異能の作家の回想記。(筑摩書房webより)
|著者|坂口三千代
|出版|文藝春秋
|出版年|昭和42年第一刷
|サイズ|200mm×137mm
|状態|函には日焼け、細かなキズ・スレ・ヨゴレ、破れ、本体には小さな破れと細かなシミ。経年による劣化がありますが通読できないような大きなダメージはありません。