青森から鹿児島、全国津々浦々の“ボロ宿”を巡るエッセイ。「消えゆくものへの郷愁」が作者をボロ宿へ向かわせる。つげ義春を連想しないではいられないタイトルだが、本文のです・ます調が作品全体に丸みをもたせ、やわらかな紀行文として楽しめる。実にユニークな日記文学のようでもある。書籍化が2011年。文庫化が2017年。果たして現在、ボロ宿はいくつ残っているのか。「長八の宿」としてつげが描いた西伊豆の山光荘は健在。地味って、良いです。
|著者|上明戸聡
|発行|鉄人社
|出版年|2017年1刷
|サイズ|148mm×105mm
|状態|ダストカバーに細かな折れ、スレ、キズがあります。その他は目立つダメージはありません。